
地域情報
2022.09.06
城址山砦址(じょうしやまとりであと)
長島町久須見山中の八幡神社から県道恵那大湫線を600メートルほど大湫方面へ行ったところに南側から北に向けて傾斜する山地があり、そこから北へ500メートルほど下がったところに城址山砦があります。県道恵那大湫線より18メートルほど標高が下がりますが、北側700メートルほどのところに木曽川が流れており、木曽川を監視するには絶好の位置にあります。そのためか城址山が「常視山」と呼称されてもいるようです。
城址山砦は、県道恵那大湫線よりやや高くなり、それから北側に傾斜する尾根の先端部にあります。形状的には、南北に細長い形をしており、南側に幅5メートル、深さ2メートルの土橋の無い堀切(ほりきり)を設けています。北に下がる尾根の上にある曲輪は、堀切から北側に5段からあります。曲輪の中でもっともひろいのは、堀切のすぐ北側にある曲輪(くるわ)で幅が14メートルほど、長さは20メートルほどありますが、あとは小さな曲輪になります。曲輪の側面は、傾斜のきつい切岸になっています。土塁や空堀も残されています。
では、この砦はいつ、だれが、何のために造ったのでしょうか。文献資料も考古資料も無いので確かなことは言えませんが、織田と武田、あるいは遠山と森といった恵那地方で行われた戦国時代の戦いに関係するものであったことは確かといえるでしょう。この砦は、曲輪、堀切、空堀といった戦国期の山城に見られる特徴を持っているからです。










